



S30号(91cm×91cm)の大判作品。
キャンバスに油彩。
しんみり、郷愁、感傷、わびしい、ブルース・・・
そんな叙情的な時間はいつだって突然にはやってこない。
いつの間にか叙情的な心情になっていることはあるけれど、なろうと思ってなれるものではない。
気付かぬ内にジワジワと足元から沁みあがってくるものなのだ。
ただ、そう云う気持ちになったら受け流したりせず、しっかりその心情/感情に向き合ってあげたい。
そのための作品である。大判作品だからこそ、自分がどん底でもやりあえるキャパシティがある。吸い取ってくれる懐の深さがある。
時に「色」は言葉より雄弁でストレートであるから、眺めていると まるで絵の方も私にシンクロして肯定してくれるような気持になる。
波が引いてから、明るい方へ行けばよいのだ。
今この瞬間は靑い色に(身ではなく)心をまかせよう。
大丈夫。零れないように金色の線で留めてあるから。